2008年08月01日

リムスキー=コルサコフ 交響組曲『シェヘラザード』

 海の日はとっくに過ぎてしまったが、夏と言えば青い空と青い海である。僕は少年時代、瀬戸内の緑の小島の間を何度もフェリーで通ったものだ。じりじりと日が差す甲板の上から、大型クレーンがそびえる巨大造船所に手を振りながら、ワクワクした気持ちで沖へ向かって進んでいった。

 リムスキー=コルサコフの『シェヘラザード』の第1楽章「海とシンドバットの航海」の船が波に揺られて進む情景を表現した主題を聴くと、いつも胸が期待感でワクワクする。この期待感は夏の海でこそ感じることが出来るものだろう。もともと、千夜一夜物語は、王様に毎夜シェヘラザードが物語りを聴かせるというものだが、真夏の夜の寝苦しさには、ヴァイオリンで奏でられるシェヘラザードの主題がとても涼しく、この曲に関しては僕の中で「夏」のイメージができあがってしまっている。

 この曲が完成したのは、1888年、彼が44歳の時であり、この曲を挟んで、『スペイン奇想曲』、『ロシアの復活祭』といった傑作が作曲されている。まさにこの年は、インスピレーションに満ちた創作の頂点だったのだろう。彼は、このほかにも多くのオーケストラ曲、オペラを作曲しているが、どうもこの3曲に較べて知名度が低いようである。僕は交響曲全集などを聴いてみたが、お蔵入りになってしまっている。(僕の理解度が低いだけなのかも知れないが)

 リムスキー=コルサコフの音楽の最大の特徴は、色彩豊かなオーケストラ法とわかりやすい民族的な旋律であるが、同じようにオーケストラの魔術師として知られる、ラヴェルやストラビンスキーと較べると何か物足りない要素、音楽が平面的に感じられてしまうところがあるように思う。3人とも、自身の心情を音楽で表現する内面的なタイプの作曲家ではなく、どちらかというと客観的、外面的な音楽を作るという共通点がある。

 僕の推測なのだが、ラヴェルもストラビンスキーもリムスキー=コルサコフの音楽を反面教師にしたのではないかと思っている。ラヴェルの音楽のもつ2面性、ストラビンスキーの極端な作風の転換などを考えると、なんだかその出発点がここにあるような気がするのである。
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[タイトル] リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」/スペイン奇想曲
[アーティスト] ストコフスキー(レオポルド)
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ラベル:クラシック
posted by やっちゃばの士 at 18:31| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | リムスキー=コルサコフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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