2008年03月13日

グリーグ ピアノ協奏曲イ短調

 日に日に暖かくなっていく3月も中旬に入った。きらきら光る小川の流れを眺めていると、冬の厳しさが溶けていくような気持ちになる。雪解け、春の訪れ、僕はグリーグのピアノ協奏曲の第3楽章のフルートの音を聴くと、いつも春が訪れたような感覚になる。

 この曲は、第1楽章の冒頭が有名だが、内省的な第2楽章、春の訪れのような第3楽章と曲の構成、流れもすばらしいと思う。グリーグの若い頃の作品だが、若者でなければ描けない詩情にあふれている。僕は作曲家が若い時代に書いたピアノ協奏曲の緩徐楽章の内にこもるような詩情が好きだ。ちなみに、グリーグの曲のほかに、ショパンの二つの協奏曲、ブラームスの第1協奏曲にも同じような趣を感じる。

 きっと、女性の存在がこれらの曲のインスピレーションになっていることは間違いないが、結婚することの出来なかったショパン、ブラームスのものに比べて、地味だが、ただ一人の女性をいとおしむかのようなグリーグの曲には何かほっとさせてくれるものがある。彼は従妹のニーナと結婚し、その後膨大な歌曲を彼女のために書き続けた。
一人の女性を終生愛し続けた彼の作品は地味だが、透明な何か大切なもの、守るべきものを教えてくれる。

ツィマーマン(p)カラヤン ベルリンPO(DG)
posted by やっちゃばの士 at 23:03| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | グリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月17日

グリ−グ ペール・ギュント組曲

 あっという間に7月になってしまった。まだ梅雨明けのニュースを聞いていないが、日差しは強くまさに夏の日差しだ。夏らしい雰囲気を味わいたいということで、PCの壁紙をノルウェーのフィヨルドの夏に変えてみた。

 北欧の夏といえば夏至祭り。北国の人たちは本当に短い夏を大切に楽しんでいる。僕も札幌に2年間住んでいたのでその気持ちがよくわかる。グリーグにしてもシベリウスにしても夏を表現している音楽は本当にすがすがしい。有名なペール・ギュントの「朝」などが聴こえてきそうである。

 この「朝」だが、実はノルウェーの朝の情景を描いたものではない。ペールの旅先モロッコの朝を表現している。ただ、南国モロッコなので、グリーグの頭の中には北欧人の夏のイメージがあったのだろう。そのおかげか、南国の熱気ではなく、すがすがしい空気が伝わってくる。

 ペールギュント組曲は第1組曲、第2組曲からなる。第1組曲は有名な「朝」など4曲からなり、小学校の音楽鑑賞授業では定番である。僕は第1組曲よりも第2組曲を好む。第2組曲には心にしみる「ソルヴェイグの歌」がある。

 ペールギュント物語は青年ペールがやりたい放題の放蕩生活を送るのだが、年老いて疲れ果てて故郷に帰り、ペールの帰郷を待ちわびていた許嫁ソルヴェイグの子守歌を聴きながら生涯を閉じるというもの。この子守歌は本当に心にしみる。この歌を聴くと、僕はいつも女性をこのような目に遭わせてはいけないと心の引き締まる思いになる。それにしても、グリーグの歌曲は「君に寄す」もそうだが、なんともいえない清純さと透明感がある。やはり、この人は歌曲の作曲家である。

 ところで、この物語は、あらすじを読んでみるわかるが、とてもグリーグの美しい音楽からは想像できないような非常にグロテスクな内容である。これに関しては、音楽が劇の内容にあってないということで、当初から批判があったようだ。物語の作者イプセンは曲を依頼する相手を間違えてしまったようである。同時代人ではないが、ベルリオーズやシェーンベルグのような作曲家に頼めば、劇の内容にぴったりのグロテスクきわまりない音楽が誕生していただろう。ただ、結果としては、今日このような美しい音楽が聴けることになったのはグリーグのおかげであり、音楽史から見れば作曲者の選択は成功だったということになるのだろうか。
グリーグ:ペール・ギュント組曲第1番&第2番グリーグ:ペール・ギュント組曲第1番&第2番
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[タイトル] グリーグ:ペール・ギュント組曲第1番&第2番
[アーティスト] ヤルヴィ(ネーメ)
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2009年01月29日

キーワドクラシック「冬」@

 寒い日が続きます。冬の日に聞きたい曲ということで、北欧の作曲家の曲を取り上げようと思います。寒い冬に寒い北欧の曲なんてと思うかも知れませんが、今日は暖炉に当たりながら聴きたい曲を。

 グリーグ『ホルベルグ組曲』

 ノルウェー語では『ホルベアの時代』と訳されますが、弦楽合奏で演奏される叙情的で暖かみをもった組曲です。ホルベアというのは、グリーグの時代から約200年前にノルウェーで活躍した劇作家。グリーグはホルベアの生誕200年祭を記念して、この曲を書いたのでした。

 200年前と言えば、バロック時代。曲は擬バロック調で書かれています。擬バロック調の組曲といえば、

ストラヴィンスキーの『プルチネラ』
レスピーギの『リュートのための古風な舞曲とアリア』

などが、有名ですが、これらの曲と較べて、抒情やロマン性が豊かなのがこの曲の特徴です。

 白夜の夏を思わせるような爽やかさもあるので、冬とはかけ離れたイメージを感じるかも知れません。ただ、僕は雪の降る夜の暖炉の前で白夜の夏も含めて、昔を回想しているような気がしてならないので、あえて冬の曲に入れてみました。

第1曲 前奏曲
軽快なそり遊びを思わせる非常に爽やかな音楽。作曲者の澄んだ心が見えるよう

第2曲 サラバンド
やさしさがにじみ出ている音楽。バロック調だが、紛れもないロマン派音楽を堪能できる

第3曲 ガボットとミュゼット
軽快な舞曲。夏至祭りの楽しい雰囲気が伝わってきそう

第4曲 アリア
夜の暖炉。とてもしみじみとした曲。暗い深淵に入りそうになるが、一歩前でとどまり再び軽快な舞曲へ。

第5曲 リゴードン
さあ、未来へ向かって。ノルウェーの文化は未来へ発展する。楽しく踊ろう。春は近い。


ラベル:グリーグ 暖炉
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2009年04月06日

キーワードクラシック『入学式』

 桜の花がひらひらと舞い、新しい若葉が目立つようになりました。桜が散ってからの成長ってとても早いですね。若葉がいつの間にか育っているように、時もあっという間に流れていきます。

 今週は入学式のところも多いと思います。先回、『卒業式』だったので、今日は『入学式』です。僕は、入学式にはあまり思い入れがないのですが、今が旬の出来事なので、今回のテーマにしてみました。

 入学式でのクラシックといえば、

ワーグナー『ニュルンベルグのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲
ワーグナー『タンホイザー』入場行進曲
ブラームス『大学祝典序曲』
エルガー 『威風堂々』
など

ちょっと軽めでは

ビバルディの『春』

があると思います。まだまだ他にもあると思いますが、やっちゃば士的な曲を上げると

グリーグの『ホルベルク組曲』第1曲前奏曲

 弦楽合奏のさわやかさがフレッシュな雰囲気にぴったりです。入学式はヘビー級よりもライト級の曲の方がしっくり来るように僕は思います。この曲には祝祭的な要素もあるので、結構いけるのでは。

http://yachaba.seesaa.net/article/113354919.html






posted by やっちゃばの士 at 22:58| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | グリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月09日

グリーグ ヴァイオリンソナタ第3番ハ短調

石ばしる 垂水の上の さわらびの 萌え出づる春に なりにけるかも
(志貴皇子 万葉集より)

 春の小川のせせらぎを聞いていると、このみずみずしい感性に満ちた歌がいつも心に浮かびます。そして、

この歌とともに浮かぶのが

グリーグのみずみずしい音楽です。グリーグが生涯をかけて作曲したピアノ曲『叙情小曲集』。この曲集のタイトルが彼の音楽の本質を表しています。

素朴でみずみずしい叙情
妻への暖かい愛情
祖国ノルウェーの自然への愛情

曇りのないいぶし銀のような魅力を持った彼の作品の中で、数少ない大曲の名作のひとつとして、

ヴァイオリンソナタ第3番

があります。

 冷たい冬が去って、眠っていた春が目を覚ます。命の誕生。誕生した春は力強く成長していく。この曲は大きな構成の中に、とても叙情的な旋律がちりばめられていて、第3楽章ではグリーグにしては珍しい力強い舞曲風の音楽が登場します。とても、充実した作品だと思います。

ヴァイオリンは次第に暖かくなる大気

ピアノは雪解け水のようにみずみずしい

 ピアノ協奏曲も同じような情緒を持っています。グリーグは「春来るかな」を最も感じさせてくれ作曲家かも知れません。

posted by やっちゃばの士 at 23:45| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | グリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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