2008年05月02日

メンデルスゾーン 弦楽八重奏曲

 今日は5月1日。5月になったというと、周りの景色は変わっていないのだが、僕は何か特別な変化を感じる。5月という言葉自体の持つイメージがよっぽど強いのだろう。人の名前だって「五月」というのがあるのだからやはり特別。この日記でも今日は特別に5月を迎えるのにふさわしい曲をあげてみたい。

 メンデルスゾーンの弦楽八重奏曲こそ僕はふさわしいと考える。この曲は彼が16歳のときに作曲されたが、「成長」「前進」「エネルギー」といったものに満ち溢れている傑作。若葉がすくすくと成長していくように、音楽が展開していく。バッハの音楽やモーツァルトの音楽が植物の成長に良いと言われているが、僕はこの曲を聴かすのが植物の成長に一番いいのではないかと思うほどである。

 弦楽八重奏とは弦楽四重奏を二倍にしたものだが、この編成がダブルジェットエンジンのようなスピード感と勢いを感じさせることに貢献していることは否定できないだろう。弦楽四重奏でも、弦楽合奏でも出すことの出来ない「ハリ」のようなものを感じるのは僕だけだろうか?
メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲
販売元 : Amazon.co.jp 音楽
価格 :
[タイトル] メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲
[アーティスト] イタリア合奏団
[レーベル] コロムビアミュージックエンタテインメン..
>>Seesaa ショッピングで買う
ラベル:クラシック
posted by やっちゃばの士 at 00:11| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | メンデルスゾーン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月05日

交響曲第5番ニ短調「宗教改革」

 昨日から連休だが小雨が降ったりと、いまいち五月晴れとはいかないものである。若葉に降り注ぐ霧雨も、この季節らしさがあって僕は好きだが、子供たちのことを考えるとそうもいかない。

 この若々しい季節の雨の日。いろんな曲が浮かぶのだが、今日もメンデルスゾーンを聴きたいと思った。交響曲では「スコットランド」もいいのだが、「宗教改革」はもっといい。「宗教改革」は実は彼が24歳のときの作品で交響曲の作曲順で言えば「第2番」に相当する。したがって、オーケストレーションも「スコットランド」よりも劣るのだが、僕はこの曲の背後に感じる彼のスピリットが好きだ。

 この曲は初演がいろいろな理由で遅れ、結局、他の交響曲に抜かれ最後になってしまった。このような経緯をたどったことに、僕は何か特別な意味を感じる。音楽の解説書を見ても、この曲は宗教式典のために作曲された、ワーグナーのパルジファルでも使われているドレスデンアーメンが登場するなどということしか書かれていなく、「スコットランド」「イタリア」に比べると本当に注目度が低い。シューマンの4曲が対等に扱われているのに比べると、僕はかわいそうに思えてくる。

 「もっとも幸福な環境に生まれた音楽家」と彼は必ず紹介されているが、僕はそうは思わない。ユダヤ人である彼に対する風当たりは当時からあったはずだ。第1楽章の葛藤と終楽章の賛歌を聴いていると、彼のアイデンティティに対する悩みと宗派、アイデンティティを超えた信仰告白を聴いているように感じてしまう。この曲の作曲からちょうど100年後の1933年ドイツではナチス政権が誕生する。この曲がナチスの難を乗り越えて今日聴くことが出来ることは本当に感謝である。
メンデルスゾーン:交響曲全集メンデルスゾーン:交響曲全集
販売元 : Amazon.co.jp 音楽
価格 :
[タイトル] メンデルスゾーン:交響曲全集
[アーティスト] マティス(エディット)レープマン(リゼロッテ)ホルヴェーク(ヴェルナー)..
>>Seesaa ショッピングで買う
ラベル:クラシック
posted by やっちゃばの士 at 00:01| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | メンデルスゾーン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月08日

メンデルスゾーン 交響曲第3番イ短調「スコットランド」

 ここのところ晴れない日が多いが、湿気の多い日は、遠くの音がよく聞こえるものである。僕の自宅も職場も海に近いところにあるが、耳をよく澄ますと、船のエンジンの音が聞こえてくる。僕は瀬戸内の島々を見渡せる半島の田舎で育ったが、6月の夜は船の音と、田植え後の田んぼで鳴く蛙の合唱を聴きながら過ごしたものだ。

 スコットランド交響曲を聴くとき、いつも梅雨空と航海のようなものを思い出してしまう。実は、僕が人生の中で最初に買った交響曲のレコードがスコットランド交響曲。カラヤン指揮ベルリンフィル盤で「フィンガルの洞窟」とカップリングされていた。どうも、このカップリング効果によってスコットランド交響曲までも海のイメージがついてしまったようなのだ。僕のクラシックの人生はメンデルスゾーンから始まった。きっかけは「真夏の夜の夢」なのだが、僕はこの交響曲を聴きながら、ほの暗いが本当に透き通った美しい音楽に魅了され、メンデルスゾーンこそクラシックの天才と当時思い込んでいたものである。


 さて、この曲はメンデルスゾーンがスコットランド旅行中に霊感を受けて作曲された。スコットランド女王メアリ・スチュワート時代の血なまぐさい事件の舞台となった遺跡をイメージしながら作曲したといわれている。確かに第1楽章の序奏は暗く悲劇的な感じがするが、僕はこういった歴史事件などは無視して聴いてもいいと思っている。むしろ、この事件などは作曲のきっかけになったかももしれないが、この曲全体の曲想はそれとは切り離してなりたっているように思える。第2楽章のスコットランド民謡、第3楽章の美しいアダージョ、フィナーレの賛歌。美しい音楽が途切れなく演奏される。思わず「美」という言葉を思わされる曲である。

 最後にこの曲は、諸事情により完成まで10年という歳月を要している。したがって、実は彼が作曲した最後の交響曲ということになるのだが、「宗教改革」のところでも述べたが、最も恵まれた環境に生まれた音楽家と言われながらも、成人になってからは結構初演まで苦労している曲が多い。僕はこれらの事情は作曲に、そして作品になんらかの影響を与えていると思っている。彼の音楽はブルジョア音楽と簡単に言う人がいるが、もっと評価されるべき作曲家だと思っている。

ラベル:クラシック
posted by やっちゃばの士 at 23:41| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | メンデルスゾーン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月21日

メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調

 一般的に名前が良く知られていながら、その作品の一部しか知られていない作曲家の一人がメンデルスゾーンです。メンデルスゾーンの代表作といえば、

交響曲第3番『スコットランド』
交響曲第4番『イタリア』
劇音楽『真夏の夜の夢』


そして

ヴァイオリン協奏曲ホ短調

です。CDも多いのはこれらの曲だけで、不思議なことに他の曲は驚くほど少ないです。また、評伝などの書籍も本当に少ない。ということで、僕はメンデルスゾーンの肩を持っています。

 さて、ヴァイオリン協奏曲ホ短調ですが、この曲はクラシックファンの間では『メン・コン』の愛称で親しまれています。その抒情的な美しさとコンパクトにまとまった構成はまさにヴァイオリン協奏曲の女王です。

 それにしても、有名な第1楽章第1主題の旋律は不滅の名旋律だと思います。この曲に出合った時の感動を今でも思い出します。前にもスコットランドのところで言いましたが、僕のクラシック歴はメンデルスゾーンから始まりました。

『真夏の夜の夢』
『フィンガルの洞窟』
『スコットランド』
『イタリア』


 この風景や物語を想起させる美しいタイトルに惹かれて、僕は中学生の時LPを買いました。「きっとどこかで聞いたことのある名旋律があるに違いない」と胸を躍らせながら。実際に聴いてみると、大興奮。「メンデルスゾーンはベートーベンよりもすごい」ベートーヴェンの曲をまともに聴いたことがなかった当時、僕は本気でそう思っていました。それでも、ただひとつ不満がありました。それは、『真夏の夜の夢』の結婚行進曲以外は、巷で一度も聴くことがなかったからです。「なぜ、こんな素晴らしい曲をとりあげないのか」

 そんなとき、音楽の教科書にこのヴァイオリン協奏曲が載っているのを見つけました。この曲はメンデルスゾーンの代表作なのですが、ニックネームがないため、クラシックを聴き始めたばかりの当時、目に入らなかったようなのです。「今度こそ、誰もが知っている名曲に違いない」期待に胸をふくらませ、レコード屋へと向いました。

 そして、初めて聴いた時の大興奮。多分、冒頭の有名な旋律は聴いたことがなかったと思うのですが、あまりにも素敵な旋律に「これだ。これならだれもが知っている名曲でないはずがない」と思ったものです。

 この曲はメンデルゾーンが35歳の時に作曲されました。作曲を着想したのは30歳前の時だと言われています。『スコットランド』など他の大曲と同じく作曲終了まで数年を費やしています。指揮者としての活動が忙しかったことが外的な原因と言われていますが、僕は内面的な理由があるのではないかと考えています。10代後半に作曲された『真夏の夜の夢』序曲や弦楽八重奏曲に見られるこんこんとわきあがるような創造力とは別の創造力を後期の作品に感じ取ることができます

 ユダヤ人としてのアイデンティティ。『宗教改革』のところでも述べましたが、成人してからのユダヤ人に対する風当たりの強さは澄み切った彼の心に暗い影を与えたことは間違いないないでしょう。

 美しい作品に、彼は激しい思いと苦悩を封じ込めました。この曲は友人のヴァイオリニスト、ダビッドのために作曲されました。そう、彼は自分の苦悩よりもダビッドをとったのです。このことは、この曲をより一層美しいものにしていると思います。


posted by やっちゃばの士 at 23:59| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | メンデルスゾーン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。