2010年06月18日

ベートーヴェン 交響曲第1番ハ長調そのA

 「学びて時にこれを習ふ、また悦ばしからずや。朋あり遠方より来たる、また楽しからずや。」(孔子)

 ベートーヴェンの交響曲第1番の第1楽章。作曲者の胸いっぱいの期待と喜びにあふれた音楽だ。よく「満を持して作曲発表した」といろいろな解説本に書かれているが、その通りだと思う。

 ハイドン、モーツァルトからの学びと独自性の詰まったこの交響曲はベートーヴェンがこの曲を発表した29歳までの音楽の集大成だと思う。


ハイドン、モーツァルトたちの交響曲の歴史
ベートーヴェンの29歳までの歴史


がこの短い序奏の中に詰まっている。僕がこの交響曲の中で、一番好きでまた一番すぐれていると思うのがこの短い序奏。出だしの和音の独創性ばかりが取り上げられるが、それ以上に、


作曲家として創造に携われる喜び
自分の時代が来たという自負

がひしひしと伝わってくる楽想こそベートーヴェンしか書けない音楽だと思う。何度も聴いていると第9の歓喜の歌に匹敵する賛歌なのではと思うのだ。

どの楽章も初期の交響曲とあってか、演奏時間が短くシンプルで、素人の僕でもべートーヴェンの特徴がよくわかる。僕なりに各楽章の特徴をまとめてみた。

第1楽章
@期待を膨らませる短い序奏
Aメカニカルな動きの第1主題(金聖響氏は「ベートーヴェンの刻みの音」と表現している)
B喜ばしい感情がにじみ出るような転調。序奏の最後の部分や、主題提示部の最後の部分

第2楽章
@ユニークな散歩しているかのような音楽

第3楽章
@メヌエットだがメヌエットならざる音楽。歌謡性が全くない
A非常にメカニカルな音の作り。第1楽章もすばらしいがこの楽章も革命的。

第4楽章
@冒頭の和音は第1楽章の最初の和音を連想させる。巧妙な仕掛け。
A躍動感に満ちたベートーヴェンらしい音楽。

 おそらく、誰しもがベートーヴェンの第1交響曲を聴くときに、「不滅の9曲の交響曲の最初の交響曲」という意識を持つため、些細なところに大きな意味を持たせたり、「英雄」」「運命」「田園」に劣らない傑作だと強調するかもしれない。ただ僕はそういった先入観や色眼鏡を捨てても、この交響曲は本当に評価されるべき曲だと思う。このような傑作が生み出された原因としてもちろんベートーベンの個性が一番大きいが、その個性を花開かせた様々な特殊な要因があるように僕は思う。

ベートーヴェンの第1交響曲の背景

@1800年に初演。ヨーロッパは新しい社会に突入しようとしていた。
Aドイツの片田舎ボン生まれの青年が成功を夢見てウィーンに上京。期待と野心。
B@Aによりベートーヴェン自身の英雄願望が時代のメルクマールに見事に連結した奇蹟。

posted by やっちゃばの士 at 07:59| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ベート−ヴェン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。