2009年05月14日

サン=サーンス 交響曲第3番ハ短調『オルガン付き』

 夕暮れ時、夕日を浴びたうろこ雲が風に流されていきます。木々のざわめきが聞こえるくらい強い風が吹いています。

さあっと窓から入ってくる風にインスピレーションを感じる

「風の歌を聴け」
「風の又三郎」

 風は感性を刺激したり、停滞した空気、ふさがった心に、活路やひらめきを与えてくれます。

 サン=サーンスの交響曲第3番の第1楽章導入部冒頭の愁いに満ちた弦の響きに僕はインスピレーションのような何か特別なものを感じます。この導入部


まるで特別な光と風にすうっと包まれるような感覚


です。僕のこの感覚が正しいかどうかは疑問ですが、この和音の響きに始まるこの交響曲は、この作曲家の最高傑作であり、フランスの生んだ交響曲の最高傑作であることは間違いないと思います。

フランスの傑作3大交響曲と言えば、

ベルリオーズの幻想交響曲
フランクの交響曲ニ短調
サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」


ですが、曲の美しさ、独創的な構成と展開、高揚性などを考えると、サン=サーンスのものが1番なのではないかと思います。別の言い方をすれば、一番非の打ち所がないと言ってもいいかもしれません。

 実際、サン=サーンスの音楽は非の打ち所が無さ過ぎるということで、同時代の音楽界からはあまり評価されなかったといいます。この評価は現代までも足を引っ張っているようで、例えばピアノ協奏曲などもっと取り上げられてしかるべき曲だと思います。

 この曲を作曲したとき、彼は決して幸せであるとは言えない境遇にありました。一般的にサン=サーンスは音楽以外の分野でも博学の天才として有名ですが、何もかも満たされた幸福な人生を送ったようではないようです。

 それにしても、才能と教育環境に恵まれた作曲家は必ずしも幸福だったとは言えないのが、クラシック音楽界の不思議です。

モーツァルト
メンデルスゾーン

そして
サン=サーンス

逆に、決して幸せではなかったことが、深く心を打つ音楽を生み出すことができたとも言えるのですが。

 
 最後に、この交響曲は、オルガンが使われることから「オルガン付き」と呼ばれていますが、ピアノも登場します。オルガンがコラール風の主題を力強く演奏する最終楽章が有名ですが、それ以上に、そこに至るまでの音楽がとても感動的です。個々の楽章について、別の機会に取り上げたいと思っています。


posted by やっちゃばの士 at 18:52| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | サン=サーンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
俗世間的な言い方しかできないんですけど、
この曲、ほんとに好きなんです。
褒めててくれてちょっと嬉しかったな〜。。
Posted by ささがわ at 2009年05月15日 15:58
ささがわさん

 僕もこの曲には特別な思い入れがあります。

 僕は音楽教育も受けていないただのクラシックファンです。素人の観点から記事を書いているので、ぜんぜん俗世間的などと思わなくていいですよ。
Posted by やっちゃばの士 at 2009年05月15日 18:43
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