2009年04月18日

リヒャルト・シュトラウス交響詩『マクベス』

 リヒャルト・シュトラウスの優れた交響詩の中にあって一番マイナーな存在が、リヒャルト・シュトラウスの交響詩の処女作

交響詩『マクベス』

です。知名度は地味ですが、内容は、荒々しく男性的な主題、高揚感は抜群で、耽美的な女性的な主題も忘れずと、高コレステロール的音楽好きにはたまらない作品です。気持ちを高揚させてくれる音楽としては、メジャーな傑作

交響詩『ドン・ファン』
交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』
の上を行くと思います。円熟された技術よりも、若々しい新進気鋭の青年作曲家の気合という点で、他の交響詩にはない魅力があります。

荒々しいマクベスの主題
優しく叙情的なマクベス夫人の主題
勇壮な勝利の行進

 さて、マクベスは言わずと知れたシェークスピアの作品ですが、シェークスピアの傑作の中で、最も残忍でえぐい作品です。魔女や亡霊、悩み、殺意など美しい音楽とは相容れないキーワードに満ちています。ところが、リヒャルト・シュトラウスの作品はこのグロテスクな雰囲気を全く感じさせません。物語が作曲家のフィルターを通して、かなり違った雰囲気に再構成されているように思います。このことは、他の彼の交響詩にも見られることで、リヒャルト・シュトラウスの交響詩の特徴です。

 ロマン・ロランはリヒャルト・シュトラウスについて次のように述べています。

「リヒャルト・シュトラウスは詩人であり、同時に音楽家である。この2つの性質が彼の中に共存して、一方が他方を征服しようとしている。ヨーロッパには偉大な音楽家が他にもいるが、リヒャルト・シュトラウスは同時に英雄的人物の創造者である。」

ちょっと、大げさな賛辞の言葉ですが、僕はこの詩人という言葉を哲学者に置き換えてもいいのではないかと思っています。彼は、歴史的(物語中の)人物に自らの姿を投影させて、新しい物語を再構成するという点で非常にユニークな存在です彼の他の交響詩のタイトルとそこに登場する人物がそのことを物語っています。ちなみに、ベルリオーズが「マクベス」に音楽をつけたら、もっとグロテスクで劇のイメージに近いものが出来上がっていたでしょう。

 最後に、リヒャルト・シュトラウスの交響詩で重要なキーワードを上げておきます。

@女性(マクベスでは3人の魔女、マクベス夫人)
A英雄(マクベス)
B人生(マクベスの生涯)
posted by やっちゃばの士 at 00:16| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | リヒャルト・シュトラウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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