2008年10月23日

リヒャルト・シュトラウス交響詩『死と変容』

 リヒャルト・シュトラウスの交響詩はすべて人を扱っているのが特徴である。その中でも『死と変容』、『ツァラトゥストゥラはこう語った』『英雄の生涯』は人を扱っているといっても、その題材の取り上げ方が特異である。リヒャルト・シュトラウスはオーケストラの大家として、曲の外面的な特徴ばかりが強調されるが、曲の持つ内面的な世界も充実している。

 『死と変容』は僕が始めて買ったシュトラウスの作品だった。カラヤン盤でメタモルフォーゼンとのカップリングだった。曲の雰囲気は違うが、この2つの曲にどんな関連性があるのだろうかと思いながら聴いた記憶がある。

 僕は学生の頃、病気で家で横になり、何もする気が起こらなかった時期がかなりある。大学の卒論も、このおかげで途中で放棄し、留年してしまった。そんな苦しい時期によくこの曲を聴いた。葛藤から快方へ、この曲を聴きながら、いつ開けるか分からない暗闇の時間をかすかな希望を抱きながら過ごしたものだ。

 今でも、この曲は一番身近に感じる彼の交響詩だ。夜露に濡れた窓ガラスを見ていると、この曲を思い出す。

白露に風の吹きしく秋の野はつらぬきとめぬ玉ぞ散りける 文屋朝康


posted by やっちゃばの士 at 00:05| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | リヒャルト・シュトラウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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