2008年10月19日

モーツァルト 弦楽四重奏曲第17番変ロ長調『狩』(ハイドンセット第4番)

 秋たけなわといったところだろうか。初秋の暑さもないし、晩秋のような寂しさもない、収穫の秋、文化の秋、グルメの秋、もっとも知的でいて温かさも感じるのが、この時期の特徴だと思う。

 そんな秋のたけなわに聴いてみたいのが、この四重奏曲『狩』。第1楽章冒頭。僕は狩に行ったことがないので、狩のイメージは湧かないが、紅葉した森や公園にジャケットを羽織って出掛けていくあのわくわくした思いにさせてくれるのは間違いない。紅葉した街路樹の向こうに楽しいことが待っている。演奏会か文化祭か、レストランか、ちょっと地味だが図書館か。まあとにかくこの曲は秋の幸福感を大いに与えてくれるのである。

 さて、この四重奏曲は中間の第2、第3楽章が非常にゆっくりとしていて、いつの間にか内省的な思いの世界に入っていくのが印象的だ。楽しい秋だが、ふと気がつくと落ち葉が舞って、暮れていく悲しさのようなものを感じてしまうのである。

 奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき  猿丸大夫

 第4楽章は、我に返ったかのようにテンポの速い音楽。本当にすばらしいモーツァルトらしい音楽で、「いろいろあったけどよかったねえ」というモーツァルトの優しさがひしひしと伝わってくる。うーむハイドンセットはどの曲も甲乙つけ難いが、芸術の秋、弦楽四重奏曲といえばこの曲が一番ぴったり来るのではなかろうか。

posted by やっちゃばの士 at 00:24| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | モーツアルト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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