2009年12月03日

ハイドン 交響曲第45番嬰へ短調『告別』

 ハイドンの『告別』交響曲は、ハイドンの100曲を超える交響曲の中で最も強烈な印象を与える曲ではないだろうか。

 この曲で有名なのは、楽団員が演奏中に次々と席を去っていくというエピソードがある第4楽章だが、それ以上に強烈なのは、第1楽章だろう。


下降する主題のしつこい繰り返し


を聴いた人は、この主題を忘れることはないだろう。降り注ぐ悲しみの波に浮かび上がる暖かい旋律が、人間的な温もりを伝えてくれるところがハイドンらしい。僕はモーツアルトの両ト短調交響曲に匹敵するすごい作品だと思う。

 ここまで、しつこく繰り返される下降音型には、ハイドンのメッセージがあるように思う。おそらく、毎日毎日家族とはなれて演奏を繰り返す楽団たちの気持ちが込められているのだろう。そのように解釈すれば、この曲ははっきりしたストーリー性を持っていることになる。


それにしても、


ハイドンの交響曲は実験的で実に刺激的だ。

モーツアルトの初期の交響曲にはない楽しみがある。ハイドン探検はとても楽しい。


ラベル:ハイドン 交響曲
posted by やっちゃばの士 at 23:57| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ハイドン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月25日

ハイドン 交響曲第26番ニ短調『ラメンタチオーネ』

 気がつけば、クリスマスもあっという間に過ぎ去ろうとしている。クリスマスにふさわしい音楽はあげるときりがないが、あまり注目されないもので、僕が好きなのが、ハイドンの『ラメンタチオーネ』。


ラメンタチオーネとはグレゴリオ聖歌の哀歌


を意味する。哀歌とは旧約聖書の中の預言書のひとつ。枯れた失望の中に、未来への希望を抱く歌である。やや強引だが、今の世の中に重なるところがあるかもしれない。

ハイドンはこの旋律が好きだったのだろう。交響曲の第1楽章、第2楽章に引用している。クリスマス用に作曲されたわけではないが、


第2楽章のアダージョ


は厳しい現実の中で、未来への希望を託す人の聖夜にぴったりくる音楽ではないだろうか。


ゆっくりと次第に浮き上がってくるような癒しの音楽

時折ひびくホルンがとても温かい。小雪のひらひらと落ちてくる夜、見えない光がすうっとそばを通り過ぎていくようだ。

それにしても、ハイドンのエステルハージ時代の短調交響曲はどの曲も大変印象深い。もっと演奏されてしかるべきだと思う。





posted by やっちゃばの士 at 12:45| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ハイドン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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