2009年10月17日

ラフマニノフ 交響曲第3番イ短調

 秋の夜。仕事からの帰り道。ひんやりとした草むらから虫の声が聞こえてくる。夜空は澄み切っていて、飛行機が次々と横切っていく。


何かほっとした思いとちょっと疲れた思い


 ラフマニノフの交響曲第3番はアメリカ時代の作品。夜が更けていくような美しい叙情と、時折見せる明るいライトが輝く都会の舞曲のようなリズムが適度に溶け合った円熟の作品だ。


祭りは過ぎ去り、淡い思い出に浸る。明日に希望を抱きながら

第1交響曲のようなデモーニッシュさや、第2交響曲のような感情のうねりはないが、疲れたとき僕はこの曲を聴きたくなるのだから、先の2曲にはない癒しの力があるのだろう。


創造の泉はまだ枯れていない





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2009年10月21日

ラフマニノフ 『ロシア狂詩曲』

 10月の快晴の朝の空。鳴り続ける鐘の音と将来への期待。ラフマニノフの『ロシア狂詩曲』のさわやかな抒情がぴったりくる。

 作曲者18歳の時の作品で、習作と言えばそれまでだが、

さわやかさ
素朴さ
透明なガラスのような抒情


がそろった佳作だと思う。ラフマニノフの長所は技巧や新しい表現ではなく、どこまでも情緒の豊かさにある。そして、彼の音楽のルーツとしての


チャイコフスキーとロシア


を感じ取ることができる。もっともチャイコフスキーもロシアの作曲家だから、ルーツを「ロシア的抒情」とでも呼んだほうがいいのかもしれない。

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2009年10月31日

ブラームス 交響曲第2番ニ長調

 ある地平線上に浮かぶ太陽の絵があった。僕はその太陽の絵を見て、沈みゆく夕陽だと思ったので、「素敵な夕日ですね」と声をかけたのだが、「夕日ではなく朝日です」という答えが返ってきた。実はこの画家、朝日をテーマに連作で描いているらしい。失礼な発言をしてしまった。

 
 どうも僕は陰的なものに美をかんじるようだ


 人には陽的な人と陰的な人がいるのだと思う。先天的なものと後天的なものでその人の人生観、美的感覚が築かれるのだと思う。作曲家の音楽にもこれは当てはまり、ベート―ヴェンの音楽は陽的、ブラームスの音楽は陰的とおおざっぱであるが言うことができるだろう。

 
 ブラームスの第2交響曲の第1楽章の冒頭の主題を聴くと、おそらく多くの人が「沈みゆく夕陽」を思い浮かべるのではないだろうか。当時、指揮者として活躍したクレッチマーの「沈みゆく太陽が崇高でしかも真剣な光を投げかける楽しい風景」という形容はこの曲の解説には必ずと言っていいほど登場する。

鈍重な低弦の響き
牧歌的すぎるホルン
遠雷のようなティンパニ



秋の夕暮れにこれほどぴったりくる音楽はないだろう。


ところが、ティンパニが小休止したあと、明るい光が差し込むような柔和な主題が出てきてクレッシェンドを築く。ここの部分はまるで


生命力に満ちた朝日が昇る


ような光景を彷彿とさせる。音楽の流れを風景に例えると、沈みゆくと思っていた夕日が、再び昇って明るい光を投げかけるといった超自然現象となるのだろうか。僕はこういったところが、歌詞のない器楽曲の楽しみであり、絶対音楽にこだわったブラームスの音楽の醍醐味だと思う。そういう意味では、僕のブログは音楽から感じたイメージを風景や情景に変換して言葉で表わしているので、あまり意味がないことをしているということにもなるのだろう。


ブラームスの2番は親しみやすいが、ブラームスの4つの交響曲の中で、一番価値が低く貶められているように思う。(逆に3番はかなり持ち上げられているのではないかと思うことがある)どの曲も個性豊かで、その時の心境によって、僕のベストは異なる。



紅葉の秋にはやはり2番



この2番については、語りたいことが山ほどあるがそれは別の機会で。





posted by やっちゃばの士 at 22:08| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ブラームス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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